病院でのこと - RIPARIAN.F.DOGS

先日行った病院から，ベルタの所見が手紙で送られてきた。
初めての病院だったし，どんな検査をされるかも分からない‥。説明を受けても一度では理解できない。メモ帳を持ってこなかったことを後悔したのだが，今回送ってもらった手紙には，検査項目，結果，処方した薬等詳しく書かれており，とても助かった。
検査や説明等も含め，病院では1時間以上を費やしてくれたのだが，やはり難しいことはすぐには理解するのは大変だもんね‥。

先生は，緑内障も遺伝病のひとつであると考えられると言っていました。
遺伝病と聞いてドキリとしました。
そう，これまで繁殖をしていても緑内障のことは頭の中になかったからです。
そして，ベルタには子供も孫もいることを伝えました。その子達も緑内障を発症する可能性はあるのか？また可能性があるのなら，早期に発見してあげたいのでどんな兆候に気をつければよいのか？遺伝性がかなり高いのであれば，これ以上の繁殖は見送った方がいいのかどうか？を訊ねました。
先生はちょっと驚いていました。そして「緑内障だからって繁殖を止めるの？そんなに真面目に考えている人初めてみたね。」と。
最初は，私も先生の答えに面食らってしまいました。そんなに真面目に‥って。考えちゃいけないのかよ〜って。
私は「ええ，真面目に考えています。私なりにではありますが，犬質のことを考えて繁殖しています。子供，孫となり良い方向へ向かっていると思っていました。だから，緑内障のことは考えていなかったので‥‥‥，その‥‥ちょっとショックで。」と言いました。

先生は，私の言葉の後に，こたろうをちょっと診せてと言いました。病院にはベルタのほかにこたろうを連れていっていました。グラついていた乳歯を抜歯してもらったのです。
「孫？」「ハイ‥。」
先生はこたろうを診察し始めました。膝や股関節のチェックをしていました。こたろうはひっくり返されて診察台で万歳状態‥。他にもあちこち見ています。
先生は言いました。
「膝も股関節も問題ないし，噛み合わせも良い。肉付きも毛並みも良い。前足もまっすぐ。背線も綺麗。こういう子は見たことないし，私はとてもいいと思うんだけど。」
「え？あぁ，そうですね。こたろうは足周りはとても綺麗だと思います。私もそう思います。でも，気になるところはありますが‥。」
「ねえ，この子痩せてるって言われない？」
話が変わってちょっとびっくりしましたが「ええ，言われますね。でも，他のダックスが太りすぎだと思います。こたろうはまだ1才前だし，今後まだ幅が出るとは思いますけど，肉付きはこんなもんでいいと思いますけど‥‥‥。」と答えました。
「私もそう思う。他が太りすぎていると思う。しかも飼い主さんも太っている方が可愛いと思っている人もいるんだよね。そして，あの歩き方‥。」
「ああ‥，体がくねくねしたり，後ろ足がぴょんぴょん跳ねたりするおかしい歩き方ですか？」
「えっ？そう思ってた？」
「あ，ハイ。変だと思いますけど‥。」
「実はね，骨格がおかしい子がくることがあるんだよ。飼い主さんも気付いていないようなので，つい親切心で股関節が悪いですよって言ったら，その子を病気の犬だって言ってブリーダーのところに返しちゃってトラブルになったんだ。ブリーダーからも営業妨害って言われるしさっ（笑）。だから，病気ですって言うの止めたんだ。」
「そうなんですか‥。」
「あなたの犬は，良い犬だと思いますよ。本当に。緑内障のことだけど，みんながなるというわけではない。なるかもしれないし，ならないかもしれない。絶対に繁殖をストップしなきゃっていう病気か？って聞かれるとそうとは言えないなぁ。あなたは，ブリーダーとしての責任でオーナーさんにこの病気のことを伝えなきゃって思っているようだけど，それを全部説明して歩くの？ブリーダーっていうのは病気とのお付き合いもある意味当然入っている。見て！ダックスといったらまず考えなきゃいけない病気だけでもこれだけあるんだよ。すべてナシっていうのは無理なんじゃないかなぁ‥。」分厚い専門書を私に見せながら先生はこう言ったのです。