RIPARIAN.F.DOGS

ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

スタンダード

 その犬種のスタンダードを満たしている、スタンダードから外れた個体は繁殖に用いるべきではない…などなど、「スタンダード」という言葉が一般にも広く使われるようになってきて、かなり認知されている感があります。
 スタンダードとは、その犬種の基準像を記述したものです。しかし、抽象的な文で記述してあるため、人により解釈の幅がでます。国や繁殖者によって理想とする形が若干異なってくるため、ダックスフントには様々なタイプのスタンダードが見られます。
 では、体型を定量的に理解するためにはどうしたらいいでしょう?
「かたち」を客観的に認知するためには、数値化という方法があります。ダックスフントのスタンダードにおいて、数値化されている点は、胸深は体高の3分の2であることと、前腕の地面からの距離は、キ甲の高さの3分の1程度の長さはあること、この2点です。
しかし、この表現は、真横からみた比率を示したものにすぎず、肩甲骨の位置や角度、キ甲部の棘突起の長さによってキ甲の高さや位置が変わるため、上記2点を満たしていても、すべての個体が相同な形状とはなりません。
 仮に、力学的計算に基づいて形と運動とを結びつけて、理想的な骨格、アンギュレーションを示したとします。しかし一方で、身体運動中の姿勢制御というのは、ただ力学的要求を満たせば良いという単純なものではありません。身体には多くの関節が存在し、これらを多くの筋によってコントロールしています。このため、同じ動作であっても、その詳細は多種多様であるのです。つまり、効率的な運動をするための理想的な骨格の「かたち」を数値化することはできても、筋力など機能的な面も含め、犬の形の境界線を数値化するのは難しいと言えます。