RIPARIAN.F.DOGS

ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

「愛なき世界」

「愛なき世界」
三浦しをん
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まず装丁が素敵すぎる。文庫になるまで待とうかな?と考えていたのですが、いちお本屋さんに行ってみて、現物を見てしまったら‥‥、もう速攻購入決定!

シロイヌナズナの研究にすべて捧げる本村紗英と、そんな本村へ恋する洋食屋円服亭の藤丸陽太。
愛なき世界に生きる植物が、ひとの姿と行いと愛を鏡のように映し出し、「おまえたちはどういう生き物なんだ?」と問いかける。
植物を介して、人々が発するほのかな光、温かな愛を感じることができる物語。


最後まで読みきって本を閉じる。
そして、もう一度表紙を見る。すると、描かれたイラストの意味が分かる。
星のように光るDNAを複製している細胞を背景に、シロイヌナズナがにょきにょき。キラキラ光るエッペンチューブもイイ!
カバーを外してみると、そこには銀河。藤丸が顕微鏡で見た満天の星なのでしょう。う〜ん、これにもヤラレターって感じです。
そして、もう一度最初からページをめくると‥‥、薄紙に印刷されているシロイヌナズナの細胞、そこから透けるように「愛なき世界」という文字が現れるのがまた素敵。
シロイヌナズナの細胞のうつくしさに魅せられ、知りたいという思いにいつも駆り立てられる本村には、「愛なき世界」がどのように見えていたのでしょう。DNAを複製している細胞を銀河のようと形容する藤丸には、本村がどのように見えていたのでしょう。
物語の世界観が美しい装丁にぎゅっと濃縮されていて、何度でも、本を読み返したくなる‥‥そんな1冊。


‥‥とここまでは、まだ読んでいない人へ。


感想はまた次回。


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