RIPARIAN.F.DOGS

ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

PRA保有状況

以前書いたPRAの記事と若干重複する部分もありますが‥、もう一度書きます。カテゴリーの[ちょっと真面目な話]もご参照下さい。

進行性網膜萎縮症PRA)は、遺伝性神経網膜変性疾患の総称です。視力が低下し、最終的には失明に至ります。

GENOMICSという雑誌で2006年にC.S. Mellershらによって発表された論文によると、イギリス、アメリカ、オーストラリアでサンプリングされた臨床的に正常な犬のうち、41.7%がPRA変異を有していることが分かっています。

その後、日本においても、ミニチュアダックスフントのPRA遺伝子保有状況が調べられています。
驚くべきことに、日本においては、臨床的に正常な犬のうち、80%以上がPRA変異を保有していることが判明したそうです(http://hp.brs.nihon-u.ac.jp/~tsumagar/topix3.htmより)。

つまり、臨床的に現在正常である個体同士の繁殖であっても、、後代にPRA発症してしまう子が生まれる可能性があるのです。

遺伝子検査のメリットとして、臨床症状だけでは分からないPRA変異の保有状況を知ることができることにあると思います。しかし、遺伝子検査は、PRA発症予測を完全に明らかにするものではありません。未知の遺伝子変異の存在も否定できないからです。

ただこれだけは言えるということは、検査を受けることで、現時点で分かっている変異遺伝子を保有しているのか、していないのか、それがはっきりすることです。前回の記事と重複してしまいますが、検査が無意味なものだとは思いません。PRAを発症する個体を少しでもゼロに近づけていく一つの方法なのではないでしょうか‥これに尽きます。

先日、ミュウに続き、ベルタもPRAの検査を受けました。
結果はノーマルクリア)でした。
ベルタに関しては今後繁殖の予定がありません。なので、調べる必要もなかったのかもしれません。
しかし、遺伝様式が常染色体劣性と言われるPRAが臨床症状、遺伝子検査結果、親子関係と照らし合わせたとき、矛盾がないものなのかどうかを知りたかったので今回検査を受けることにしました。多くの方が少しずつデータを蓄積していくことで、今後のダックスフントの繁殖において重要なデータとなると思います。
大好きな犬種が健全に受け継がれていく‥‥切に願うばかりです。