RIPARIAN.F.DOGS

ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

しげじい退院

cyakomama2006-04-20

今日、ちゃこままの父親「しげじい」が病院から退院し、ちゃこまま家へ帰ってきました。しげじいは2年ほど入院生活をしていました。原因はくも膜下出血です。52歳で発病しました。最初は、横浜で仕事をしていたので、そちらの病院で手術をうけ、入院生活を1年ほど送っていました。岩手と神奈川を生まれたばかりの弟くんと、2才のお姉ちゃんをつれての往復が続き、家族みんなとても疲れていたような気がします。
結局、職場復帰は不可能と診断され、実家のある岩手へ転院することになりました。しかし、転院先の病院を探すのはとても難しいことでした。大病院では、治る見込みはないから受け入れはできないと断られました。また、介護施設と併設の病院では、ここは高齢の方しか受け入れることはできない。正直、いつ亡くなってもしょうがないような方しか受け入れてない。しげじいさんは、まだ若いので責任を負えないなど言われ断られました。リハビリ系の病院でも、単純にリハビリだけの人ならいいけど、水頭症も発症しているので、その治療ができないと断られました。しかし、丁度新しい施設を建て増し中の病院へなんとか入ることができました。その頃のしげじいの体調はかなり悪く、食事も食べられないので鼻からチューブを入れて流しこむような状態でした。その為、神奈川から岩手へ連れてくるのにも、新幹線などの乗り物も難しく、看護士つきの民間の救急車がベストと言われました。結局、看護士さんは付かないで移動することになったのですが‥。
岩手でゆっくり治療が受けられるようになり、今度はまた別の問題がおきました。しげじいが体力的に回復しはじめ、それと同時に精神的混乱が見られるようになったのです。
その頃、障害認定や障害年金の手続きを進めていたのですが、書類申請をするうち、ひとつの疑問が湧いたのです。なぜ、役所も病院もしげじいに身体障害者の書類しかくれないのだろうか?と。正直、体は動くようにはなってきていましたが、しげじいの頭の中は以前のしげじいではありません。一人では何もできない状態です。このまま、身体障害の認定だけでは、等級が低く要介護度が低いと判断されるのは必須でした。そこで、ちゃこままは、本やネットを読み漁り、精神障害手帳の取得、精神障害の診断書を作成してもらうため、精神科の受診を決めました。しかし、入院先の担当医に相談しても、大病院では敬遠されるから‥という理由で、介護施設に併設した小さな精神科を紹介されました。
しかし、そこでは思ったような診断が受けられませんでした。しげじいを診察することなく、病院の先生は家族からの聞き取りのみで薬を処方したのです。しかも、診察を受ける前に話しを聞きにきた看護士さんから、このような状態では精神手帳の取得はできないと言われました。また、医師からも、障害年金の申請にとって重要な初診日の見解が私達とは異なっていたのです。その医師は初診日は精神科を受診した日と診断したのです。また、精神障害の診断書を作成してほしいと言ったのですが、薬を処方して症状が治まれば治ったということですからと言われました。治る!?頭部のレントゲン写真を見て、一言目にこれは、脳が損傷しているから治らないよ、社会復帰は無理だよと言った医師が、薬を処方して症状が治まったらそれが治ったということだと言ったのです。正直、耳を疑いました。
ちゃこままが、調べた限り、しげじいの状態は、くも膜下出血による器質性脳障害、初診日はくも膜下出血を発症した日と考えていました。
いくつか相談所を回り、しげじいを診断してくれる医師、そして器質性脳障害の認識が深い医師とめぐり合うことができました。現在では、身体手帳2級、精神障害1級を取得することができました。
正直、精神障害の診断書は医師の書き方一つで判断が変わると思います。身体障害なら動くのか、動かないのかという客観的診断が可能ですが、精神の方はできるかできないかという問題だけではないのです。
例えば、食事ができるかという設問があった場合、しげじいは一人で食べることができるので、「はい」という答えになります。しかし、しげじいの場合、満腹中枢もきちんと働いていないので、目の前にあればあるだけ食べてしまいます。また、朝食、昼食、夕食を食べたのか食べていないのかという認識もありません。熱いものもすぐに口に運んでしまいます。そんな状態を「食事ができる」と診断してよいのでしょうか?
精神障害者にとって重要なことは、その行為が一人で生活していても、適切に行えるかどうかということを基準に診断してもらうことなのです。
私たちはたまたまよい医師とめぐり合うことができ、制度を十分に活用することができたと考えていますが、役所や現場の医師、看護士が十分にこの内容を理解していない社会では、すべての人が必要な制度を受けられるとは限りません。
例えば、社会保険事務所でも障害年金に必要な書類を求めても、四肢用の診断書しか渡してくれません。精神用の診断書も欲しいと願い出てもしげじいの状態を聞きもせず、知りもしないのに必要ないとさえ言われました。その時は、はっきり言って頭にきて、一体あなたはなんの資格をもった人なんですか!!と言ってやった記憶が‥(汗)。
障害年金の制度を熟知し、精神障害者の生活障害を把握することの重要性を認識する専門家が必要です。
しげじいの闘病の中で学んだことを少しでも社会の人に知ってもらおうという思いで今日は日記にカキコしましたm( )m。
普段、ちゃこと遊んでばかりのような日記ですが、ちゃこが来てからの1年数ヶ月は実は、こんな生活を送っていたんですね〜。母親のひーちゃんは、うつ病抗うつ剤睡眠薬、胃薬を飲んだりの状態だったし、正直ちょっと大変かもと思ったときもありました(笑)。でも、ちゃこを飼うきっかけとなったのは、しげじいが倒れたことが理由のひとつでした。いずれ、同居になるから、犬を飼ってて、もしちゃこままがいなくても世話してくれる人ができた〜(≧∇≦)ノってなノリでちゃこまま念願のワンコを飼ったのです。ひーちゃんからは、犬バカ犬バカと怒られてますが、しげじいさん、ちゃこと散歩でもしてリハビリして下さいな(*^▽^*)。こんな背景があるので、ボランティアに行ったときも、ちゃこを触ろうとあまり動かない方の手でそっとなでようとしてくれるおじいさん、おばあさん、ちゃこを抱きしめる力が強すぎて、力を抜こうとするおじいさん、おばあさんを見るとがんばれ、がんばれって思います。不自由な手って、力が入るとなかなか力を抜くのが難しいんです‥。しげじいも、持った箸を離したいのに離せないなんて日常茶飯事。弟くんと手をつないでも、力加減が分からず弟くんに痛い、痛いと騒がれたり。手が勝手に動いちゃったりして、もう片方の手で必死にそれを押さえたりと、私達では考えられないような不具合の中で生活しているしげじい。
また、しげじいが在宅ケアになるということで、またいろいろな問題が生じるかもしれません。その時はまた日記にカキコしていこうと思っています。今日は真面目な日記でした。