RIPARIAN.F.DOGS

ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

サイズ

カニンヘンダックスは、生後15ヶ月時点で胸囲30cm以下、理想体重3.2〜3.5kgとされています。しかし、サイズのばらつきが大きいこと、サイズオーバーなどが問題とされ、サイズの固定化の重要性がしばしば言われています。
サイズの固定化とは、どのような状態を意味するのでしょうか?サイズ分布を正規分布と仮定すると…
1:すべての個体が胸囲30cm以下という条件を満たすようにする。つまり、個体のサイズ分布をインサイズに収まるようにすること。
2:カニンヘンとして一番理想的なサイズに個体のサイズ分布の最頻値がくるようにし、分布の幅をかぎりなく小さくすること。
…が考えられます。
 1の場合、個体のサイズ分布の幅によって、平均値の位置が変化してきます。例えば、分布の幅が広ければ広いほど、平均値を小さくしなければ分布の裾がインサイズに収まらなくなります。つまり、サイズオーバーの問題はクリアできても、サイズ変動の問題は解決できていません。

 2の場合、理想的なサイズとは何かということが問題となります。体重に関しては、3.2〜3.5kgにサイズ分布のピークを位置するようにすればよいのですが、胸囲はどうでしょう。結局、理想とする胸囲が示されていなければ、サイズ分布のピークをどこの位置に設定するのか目標が定まりません。また、理想とするサイズが胸囲30cmギリギリにあれば、分布の幅がほとんどない状態でない限り、サイズオーバーする個体が出るのが当然です。
 今のカニンヘンの基準においてサイズを固定化するのであれば、より小さい方向で固定化を目指す考え方と、胸囲30cm以下という階級の最大値での固定化を目指し、サイズオーバーがあって当然とする考え方に分化していくのではないでしょうか。もし、FCIの規定のようにダックスフントのサイズに連続性があればまた違った固定化の考え方ができると思いますが‥。
 FCIの規定では、カニンヘン:約3kg、胸囲30cmまで ミニチュア:3〜4kg、胸囲35cmまで スタンダード軽:4〜5kg、胸囲35cm以上‥‥というふうに、サイズ分けに連続性があります。胸囲が大きくなれば、体重も多くなるという関係性が分かりやすいですよね。そのため、サイズを固定化というよりは、ダックスフントとしての体型を同一にしていくことが可能となります。小さめのミニチュアとカニンヘンを交配しても、体型が極端に変わってしまうということはないと想像できます。

 一方、JKCの規定では、カニンヘン:胸囲30cm以下、理想体重3.2〜3.5kg ミニチュア:5kg以下、胸囲35cmを理想とする スタンダード:9〜12kgというようになっています。カニンヘンでは胸囲をサイズ区分の条件としているのに、ミニチュア、スタンダードでは体重を条件としているため、胸囲と体重のアロメトリーが分かりにくく、それによりカニンヘンとミニチュア間で体型にばらつきが生じやすいと思います。JKCの規定では、極端に言えば、胸囲30cm以下で5kgのカニンヘンも、胸囲35cmで3.5kgのミニチュアも許容されると捉えることができます。つまり、体型に変動が生じやすい規定の定め方になっていると思います。
 さて、このような規定の中で、サイズを固定化していく‥日本もしくは、繁殖者はそれぞれどのような方向性を見ているのでしょうか?この状況下では、胸囲、体重を明確に示した上で「私の理想はこうです!」っていうはっきりした目標がない限り、固定化はあり得ないと思うのは私だけ???