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ライパリアン.エフ. 〜ちゃこの日常〜

『犬たちをおくる日ーこの命,灰になるために生まれてきたんじゃない』


『犬たちをおくる日ーこの命,灰になるために生まれてきたんじゃない』今西乃子著


冬休みの子供達との親子読書用の本として購入。……という訳で,私もがっつり読んだので感想文を……。


まず,2002年に開設された愛媛県動物愛護センターに,1年間に持ち込まれる犬の頭数は4000頭。うち子犬は1500頭。譲渡会に出してあげられる子犬は,わずか140頭。こういう現実に,言葉もでない。
このセンターでは,こうして持ち込まれた犬達の殺処分を行っている。職員達にとっては,大きな心の痛手を伴う作業だ。
捨てられた命を助けることは必要だ。だけど,「かわいい」という一時の感情で飼うことはできない。また,「かわいそう」という感情だけでは救うことはできない。かわいそう…という理由で,殺処分を無くしても,毎年4000頭ずつ増える犬は,10年後には4万頭に。そして,餌代は10年後には1日280万円に。センターの総工費は13億円。これが10年後には……。また,命というものはただ”息”をさせて生かしておけばいいというものではない。4万頭の犬達の世話は?病気になったときは?……。
かわいそう…という気持ちだけでは,命は簡単には預かれない。
愛媛県動物愛護センターでは,捨てられる命をなくすことに力を入れている。そのために,この現実を知ってもらうのも一つの方法だ。
犬を捨てた飼い主の責任を追求することが目的ではない。処分の実態を知ってもらうことで自分にできることは何かを考えてもらうこと。
動物愛護センターが犬を殺しているのではない。犬を殺していたのは,私達「人間社会」であることを理解してもらうこと。
消えた命と,その命に真摯に向き合ってきた人達が届けるこの声が,多くの人達に届くことを祈って止まない……。


そして,犬達の繁殖に携わっている立場として,犬も人も幸せになれるような繁殖を行うことの重要性を再認識させられた。純血種に対し,否定的なイメージの方もいるだろう。しかし,両親犬の性格,犬種の特性など,純血種ならではの情報が得られることもあり,ライフスタイルに合った犬種を選択できることは,犬との生活を楽しむ,犬とともに幸せになるという意味で意義はあると思う。
繁殖者が,新しいオーナーに,犬を飼う上での正しい知識を与えること,また相談に乗ることも大事なこと。命が生み出される現場を知っているからこそ,伝えられることもたくさんあると思う。


ブログ上でも,実生活でも繁殖に関して、これまでも散々うじうじと悩み書き散らしています。……が,やはり何度も書いていますが,私にとってはこれが一番大事ですね,きっと。


生まれてくる命と新しい家族の幸せを思い描けているのか?と。スタンダードだ、犬質向上だ‥、それは一体何のためにあるのか?と。そこに犬と人を想う気持ちはあるのか?と。


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