ミュウが，グッ，グッと何度も吐くような仕草を見せました。
胃液を吐いてしまったりもしました。
なんらか胃の調子が悪く，吐き気がするのだろうと思ってしまいました。
翌朝一番に動物病院へ行くと，吐いているのではなく咳でした。
レントゲンを撮ると，すでに肺炎をおこしていました。
誤嚥性肺炎との診断です。
誤嚥性肺炎は，唾液，胃液，食べ物等が誤って気管の方へ入り込むことによって細菌も肺に到達してしまい肺が炎症をおこしてしまうものです。
食べるのが大好きなミュウはいつも早食い。以前からちょっと気になってはいて，それが原因なのかと思いましたが，もっと最悪なものでした。
巨大食道症を発症しているとのこと。
巨大食道症は食道の一部が拡張してしまうものです。そこに食べ物が留まったり，胃酸が逆流したりして嘔吐してしまったりします。誤嚥性肺炎との危険は常に隣り合わせの状態です。
すぐには頭では理解できず，まさか信じられないという思いでいっぱいでした。
それは，肺炎と診断される２週間ほど前のことがあったからです。
ミュウが食後に吐く仕草をしたのです。いつもと違って，空気を吐き出しているように見えました。
いつもと違う様子に，慌てて病院へ行きました。巨大食道症，胃拡張，胃捻転などの突然死をしてしまうような病気を疑ったからです。病院では落ち着いた状態を示していましたが，あまり心配しなくていいという先生の診断を押し切ってレントゲン検査をお願いしました。レントゲン検査の結果，食道，胃ともに問題はなく正常の形でした。ちょっぴり喉のあたりがヒューヒューししていたので，犬ガム等硬いものでちょっと傷つき，そこが食事の時に刺激されて吐き気がしてしまったのだろうということでした。炎症を抑える薬を処方され，実際，それを飲んでいる間も飲み終わった後も何も起こりませんでした。喉の炎症もすっかり治ったのだろうと思っていました。
こんなことの後だったので，まさか今になって巨大食道症だなんてウソでしょって思いました。こんなひどい状態にすぐになってしまうのだろか？…という疑問もあり，もう１軒病院を尋ねましたが，診断は同じでした。しかも，２週間前のレントゲン検査ではやはり病気の徴候はないとのこと。そして，突発的に巨大食道症を発症し，症状が悪化する場合も当然あるとのこと。
ミュウが咳をしていた日，病院が休みだったこと，咳と吐き気の違いを分かってあげられなかったこと，また，２週間前のレントゲン検査により食道や胃の形は正常だったことによる安心感から，病院へ行くのを翌日まで待った自分の判断ミス……，そのせいでミュウがこんな状態になってしまったと思うと申し訳ない気持ちでした。
まずは，肺炎の治療をしています。点滴で抗生剤を投与してもらっています。
最初に，病院に行った日の朝は微熱程度でしたが，夕方には40度を越えてしまっていました。でも，体の中の細菌と戦うためのものなので，大量の薬で無理に熱は下げない方がいいとのこと。少し脱水もおこしていましたが，これも，点滴で水分を補給しすぎても，肺を圧迫して苦しくなるので，少しづつ時間をかけて行いました。
巨大食道症のこともあり，寝ているだけでも唾液や胃酸が食道に溜まりやすくなっているので，縦抱っこをして食道にあるものを胃に流すようにします。また吐いてしまっては，肺炎も治らないし，体力も消耗してしまうからです。
翌日は，ゼロゼロと痰が絡んだ状態になりました。見ていると呼吸が苦しそうです。でも，これも細菌等と戦った結果出るものなので，悪い徴候ではないとのこと。この日は熱も平熱になっていました。
３日目は，ゼロゼロと痰が絡んでも，水を飲むとゼロゼロいわなくなり，ゆっくりと寝ている時間が増えました。
まずは快方に向かっているのだと信じたいです。
しかし，悲しいかな，ミュウの命の保障はできない！とはっきり言われております。肺炎はかなり重症化しているし，予後も良くないだろうと。
６割の子が３ヶ月以内で亡くなるとのこと。
巨大食道症自体，治療法があるわけではないので完治することはなく，誤嚥を繰り返すことで命を縮めてしまうそうです。
病院からの帰り……，色んなことが受け止めきれずぼ〜っとしてたんでしょうね。実は，車を車庫にぶつけてしまったりして……。
子供達に「ミュウちゃん死ぬの？」なんて聞かれ「大丈夫，治ってきている。」と自分にも言い聞かせるつもりで話してはいますが，涙が出てしまいます。昨夜もミュウと一緒に寝ていたのですが，ゼロゼロした呼吸が聞こえないと気付いた時，一瞬，息が止まってしまったのではと慌てて飛び起きてしまったほど。スースー寝ているだけでした。驚かされてしまいましたが，うん，良くなっているって思えることのひとつですよね。
まずはやれることをやる！それだけです。
でも……もしミュウを失ってしまったら……と思うと，正直とても怖いです。
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